今回は、4月1日に施行された「令和4年度診療報酬改定」から、クリニック経営に関連の深い項目をいくつかピックアップしてご案内します。コロナ禍、高齢化、働き方改革など、多岐にわたる課題解決を目指した改定となりました。
■感染対策に対する評価の新設
クリニックにおける平時からの感染防止対策や、発熱外来の実施などの地域連携への参画を評価する「外来感染対策向上加算(6点 患者1人につき月1回)」が新設されました。
また、従前の「感染防止対策加算」は「感染対策向上加算」に改称され、要件が見直されています。
■かかりつけ医機能の役割はさらに強化
今回の改定でも、かかりつけ医の役割が強化されています。
まず、「地方包括診療・地域包括診療加算」は、慢性心不全と慢性腎臓病が対象に加わり、算定要件に「予防接種の相談」が追加されました。
他の医療機関に患者を紹介する際に算定する「診療情報提供料III」は「連携強化診療情報提供料」にリニューアルをしています。紹介先となる医療機関の範囲が拡大されるとともに、患者1人につき月1回(従前は3月に1回)算定できるようになりました。
■オンライン診療料も再設計
新型コロナウイルス感染拡大に伴う特例として実施された「オンライン診療料」が廃止され、「初診料(情報通信機器を用いる場合)251点」などが新設されました。算定には施設基準の届出が必要ですが、「オンライン診療料の算定数を1割以下」「医療機関と患家との距離が概ね30分以内」の条件は課されません。
■電子的保健医療情報活用加算の新設
オンライン資格確認システムを利用した際の評価として、「電子的保健医療情報活用加算」が新設されました。
初診料については、患者の診療情報等の取得が困難な場合や他の保険医療機関から患者の診療情報の提供を受けた場合には、令和6年3月31日までの期間、3点を所定点数に加算できる経過措置も設けられています。
他にも「リフィル処方箋」などの重要な変更があります。下記URLをご参照ください。
参考:
厚生労働省「令和4年度診療報酬改定説明資料等について」
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